長野県の方言を10種類をご紹介します。
長野方言を聞いて意味が分からないなって感じたことはありませんか?他の地域の方ですと「?」となることもありますよね。
特に年配の方との会話で、「これは何のこと?」や「どういう意味?」と尋ねる場面にしばしば出くわしますよね。
私が聞いたことがある長野の方言を10個ご紹介しますので、長野方言の「解読」のご参考にしてみてください!
長野方言は地域によっても違う
長野県は地理的に、東信、南信、北信、中信の4つの地域に分けられ、それぞれで使われる方言には違いがあるのが特徴です。
今回は特に私が北信(長野県北部地域)で実際に使われているのを聞いたことがある「長野の方言」をご紹介します。
他の地域でも使えるものもありますよ。
①長野県の方言「ずく」
長野県でよく使われる「ずく」という言葉は、気力や忍耐力を意味します。
例えば、「ずくが足りないね」と言われたら、「気力が足りないね」「もっと頑張ろう」という意味です。
この表現は、努力や根性を促す時によく使われます。
「ずくを出していこう!」というのは、「みんなで頑張ろう!」と励ます時の言葉として使われることがあります。
長野では「ずくだせテレビ」や「ずくだせえぶりでぃ」という番組もあります。
長野県全体で「ずく」は通じますね。
②長野県の方言「くれる」
長野県では「くれる」とは、「もらう」のではなく「あげる」方の意味で使われることが多いです。
例えば、「お花に水くれといて」のように使います。
「水やり」ではなく「水くれ」と言います。
「さしあげる」ことを、上から目線で「くれてやる!」と言いますが、それと似てますね^^;
長野県の方はまったく上から目線ではありませんが、あげることを「くれる」と言います。
③長野県の方言「なから」
「なから」とは「ほぼ」「だいたい」という意味の長野県の方言です。
「なからいいね~」と言えば、「だいたいいいね~」と同じ意味になります。
この言葉は特に北信地方や東信地方でよく使われます。
共同作業をしているときに「なからいいしない?」と聞くと、「だいたいこのくらいでいいんじゃない?」という意味で使われます。
④長野県の方言で誘う「するしない」
「するしない」は幅広い年齢層に使われています。
保育園児や小学生でも使っているのを聞いたことがありますよ。
長野県の方言「〜するしない?」は、誰かを何かに誘う時の「〜しませんか?」や「〜してみませんか?」と同じように使います。
例えば、「映画行くしない?」は「映画行かない?」や「映画行きませんか?」という意味で、相手に提案をする際に用います。
この表現は、推測や確認を求める際にも用いられます。
「それ、前にも買ったしない?」は「それ、前にも買ったことありますよね?」と推測する時の言い回しです。
しかし、長野県外の人にとっては、「〜するしない」という言い方は少し戸惑うかもしれません。
「それよくするしない?」は「それよくやるよね?」という肯定的な意味で使われることがありますが、長野県外の人は「するのかしないのか、どちらなの?」と混乱することがあるようです。
⑤長野県の方言「わにる」
「わにる」とは、照れくさいことや人見知りをすることを表す長野県の方言です。
例えば、見知らぬ人に会って泣いてしまう子供に対して、「わにって泣いちゃったね」と表現します。
この言葉は特に小さい子供たちに関する状況でよく使われますが、実は年齢に関係なく「照れる」「人見知りする」「恥ずかしがる」「臆する」などの感情を表すのに用いられます。
⑥長野県で使われる方言「〜かや」って?
長野県でよく使われる方言「〜かや」は、「〜だろうか?」や「〜かな?」と同じ意味合いで使われます。
例えば、「朝ごはん食べたかや?」は、「朝ごはん食べたかな?」と同じように、相手に確認したい時や推測を伝えたい時に使います。
この表現は、ママ友の間での会話などでも聞きます。
若くてかわいいママでも「~かや?」と使うこともあって、なんとなくギャップを感じるのは私だけでしょうか?
「これでいいんかや?」は、「これでいいのかな?」と不安や確認を求める際に使われます。
⑦長野県の「しみる」で寒さを表現
「しみる」という言葉は、長野県で寒さが身に染みるような冷え込みを表す時に使われます。
「しみるねぇ~」と言えば、「とても寒いね」という感じで、その寒さがどれほど厳しいかを表します。
この表現は長野県内で広く使われており、寒さを直接体感する表現として「身にしみる寒さ」と言えば他の地域の人にも伝わりやすいのではないでしょうか。
また、長野県には「凍み大根」など、寒さを利用した郷土料理や保存食があります。
これらは、外で風にさらして乾燥させるなど、厳しい冬の気候を活かして作られます。
凍み大根の他にも、「凍み豆腐」や「凍み餅」など、寒さが生み出す独特の食文化が長野県には根付いています。
これらは長野の冬の寒さを乗り切るための先人たちの知恵と言えるでしょう。
⑧長野県における「こわい」の使い方
長野県では、「こわい」という言葉が「硬い」や「濃い」といった意味で使われることがあります。この用法は、特に北信地方でよく見られます。「こわい」と漢字で「強い」と書くことからも、その意味が伺えます。
例えば、料理の具材が硬い場合に「このゴボウはこわいね」というように表現されます。
硬い食べ物は歯の悪いお年寄りには食べづらいですよねぇ。
また、「濃い」意味での使用例としては、色彩を強調したい時に「色をもう少しこわくしてください」と言われることがあります。
⑨長野県の方言「しょうしい」の意味
「しょうしい」という言葉は、長野県北信地方で「恥ずかしい」という意味で使われます。
例えば、「そんなにじっと見られたらしょうしいわぁ」というように、他人にじろじろ見られると感じる恥ずかしさを表現します。
また、この方言の語源は「笑止千万」の「笑止」から来ており、不合理で笑える状況を連想させる言葉です。
たとえば、法事での親戚たちの会話で「あんな派手な格好で田んぼ行ったらしょうしいいわ(笑)」という言葉を聞いたことがあります。
「垢抜けたハイセンスな農作業着で農作業したらかっこよすぎて目立っちゃうなぁ~(笑)」っと、おもしろおかしく仲間内で話している状況です。
その使用例は日常の中でユーモアを交えたり、ある状況の滑稽さを表現するのに使われることがありますよ。
⑩長野県で使われる「おらほ」とは
「おらほ」という言葉は、長野県において「自分たちの場所」や「私たちの側」という意味で使われます。
例えば、「我が家では」のように、自分たちの居場所や領域を指して言う時に使用される表現です。
この方言は、長野県の地元産品やビジネスにも取り入れられています。
例えば、長野県東御市にある「オラホビール」のように、「おらほ」を冠した商品名も見られます。
画像出典元:楽天市場
これは、「おらほ」が地元愛や地域性を表現する言葉として広く認識されていることを示していますよね。
また、「おらほ」からは「おらっち」という言葉も派生しています。
「おらっち」は自分自身を指す言い方で、「私は」や「俺は」と同じような使い方をします。
一方、相手を指す時は「おまえった(おまえた)」と表現します。
これらの言葉は、長野県の方言として日常会話に根付いており、ご近所どうしで「おまえた」と呼び合うのは、親しい間柄であることがわかりますね。
長野方言まとめ
長野県の方言は、他の地方の方々には分かりにくいものもあり、迷宮に足を踏み入れたような感じになるかも知れません(笑)。
地元の言葉には、時に「こわい」(硬い・濃い)ほどの深みがあり、「ずく」(気力)を使って理解に挑む必要があるかもしれません。
でも安心を、自分のことを言うのに「私」ではなく「おらほ」を使えば、コミュニケーションの架け橋に。
「するしない?」(しませんか?)と誘われたら、長野の方言で心を開くのも良し。
地元の人たちとの初めての交流に思わず「わにる」(照れる)瞬間もあるかもしれませんが、「しょうしい」(恥ずかしい)気持ちも笑いに変えてみましょう!
長野の方々と方言を通じて仲良くなれたら、それはそれで「なから」(だいたい)楽しい思い出になりそうですね!