記事内に広告が含まれています。

「肌色」なぜ改名された?新しい名称は「ベージュ、薄橙、ペールオレンジ」

日常生活で「肌色」という言葉を使うことはありますか?

最近、「肌色」という言葉を耳にすることが少なくなったと感じませんか?

クレヨンセットにも含まれていた「肌色」は、2000年頃から「ベージュ、薄橙、ペールオレンジ」という新しい名前に言い換えられました。

なぜ「肌色」という名前が使われなくなったのでしょうか?

スポンサーリンク

\ブラックフライデー開催中/ 楽天人気商品ランキングはこちら[PR]

「肌色」という言葉の歴史

「肌色」という用語がどうして新しい意味や名前に変わったのか、背後にある肌色という言葉の歴史を探ってみましょう。

 

日本ではずっと昔、仏教が一般的に広まる江戸時代以前に「宍色(ししいろ)」という言葉が使われていました。

宍色とは黄みがかったピンク色。宍色のカラーコードは[#efab93]

「宍色」は獣の肉色の意味で、江戸時代「生類憐れみの令」で肉食を禁じられた人々は、「宍色」に変わる呼び名として「肌色」を使うようになったと言われています。

「肌色」は、日本人の肌に似た、薄いオレンジ系の色を指して使われました。

日本では、大正時代(1912年~)に入ると教育現場で、「肌色」と記されたクレヨンや色鉛筆が広く用いられるようになりました。

 

アメリカでは「flesh(肌色)」という言葉が使われていました。

しかし、1950~60年代にかけてアメリカで起きたアフリカ系アメリカ人の公民権運動を発端に、「肌色」を使う頻度は減少していきました。

この運動は、一つの色で「肌色」を定義することに対する批判を強め、言葉の使用に関して大きな転機をもたらしました。

この状況の下、多様性への配慮や理解を深める動きが広がる中で、「肌色」という言葉が持つ限定的な意味合いや不適切さが徐々に指摘されるようになりました。

アメリカでは、1962年(日本は昭和37年)にクレヨラ社が「肌色」のクレヨンの名前を「ピーチ」と変えました。

アメリカに「肌色」だけで24色入りのクレヨンがあるようです。(参考:肌色だけで24色。クレヨンとバンドエイドの多様性)

ドイツでも「肌色」の種類が豊富です。(参考:「肌色: Hautfarbe」だけが入ったクレヨン)

フランスで「も色ってどんな色?」と聞かれて困ったという記述があります。(参考:肌色って、どんな色?)

 

スポンサーリンク

日本では「肌色」の名称変更は2000年頃

日本の教育の場にも、「肌色」という言葉に疑問がもたれ始め、2000年に大手メーカー(サクラクレパス・トンボ鉛筆・三菱鉛筆)が、「肌色」を「うすだいだい」と改めました。

これらの変更によって、「肌色」という言葉の使用頻度が減少していったのです。

そして、2005~2006年の間に、日本で「肌色」という名称を使ったクレヨンの色は無くなりました。

 

スポンサーリンク

「ベージュ、薄橙、ペールオレンジ」ついて詳しく

「肌色」の言い換えである「ベージュ・薄橙・ペールオレンジ」について、もっと詳しく見ていきましょう。

薄橙(うすだいだい)

「薄橙」は、橙色(オレンジ色)の明るく淡いバリエーションです。

(※「橙色」は赤と黄色の中間に位置する色で、エネルギッシュで暖かい印象を与えます。)

「薄橙」は「橙色」を薄めた色で、より柔らかく、穏やかな感じを演出します。

「薄橙」は、

  • 柿の実が完熟する前の状態や、マンゴーの内側の色に近い。
  • 初夏の日差しを受けた砂浜にも似ている。
  • 夕焼けや秋の初旬に見られる柔らかな日の光も思い起こさせる。

「薄橙」は自然界や日常生活の中でさまざまな形で見ることができ、穏やかで心地よい雰囲気を作り出す色です。

 

ペールオレンジ

「ペールオレンジ」とは、橙色(オレンジ色)の非常に薄い、淡いバージョンを指します。

微妙な違いではありますが、「ライトオレンジ」は「薄橙」「ペールオレンジ」は「淡い橙」です。

この色は、赤と黄色が混ざり合ってできる暖色の一つであり、その中でも特に柔らかく、控えめな色合いが特徴です。

ペールオレンジは、優しく、穏やかな印象を与えるため、インテリアやファッションなど、さまざまな場面で人々を和ませる色として用いられます。

 

ベージュ

「ベージュ」は、薄い茶色に近い、または黄色みを帯びた灰色の色合いを指します。

この色は自然界でよく見られる土や砂の色に似ており、落ち着いた暖かみと柔らかさを持っています。

ベージュは非常に中性的な色であり、どんな色とも相性が良いため、ファッション、インテリアデザイン、アートなど幅広い分野で用いられます。

具体例としては、砂浜の色や小麦の穂先、または象牙の色がベージュに近いです。

 

スポンサーリンク

【まとめ】「肌色」の改名について

「肌色」という言葉を変えることは、ただ色の名前を新しくするだけではありません。

それは、私たちの社会がどんなに変わってきているかを示しています。

日本でも、人の肌の色や人種について理解しようとする動きが広がっています。

でも、大切なのは、その時々の状況や話の流れに合わせて、どう言葉を選ぶか。みんなが違うことを大切にする気持ちが必要なのです。

言葉は、時代とともに変わっていくもの。

私たちの考え方や文化にも、自然と合わせて変わっていきます。

「薄橙」や「ベージュ」、「ペールオレンジ」のような新しい名前を使うことで、いろんな肌の色をちゃんと認めて、大切にすることが、これからの社会をより良く作っていくのに、とても重要なのです。