低価格で効率的な「重曹」は、自然由来のクリーニング素材として手軽に入手できます。
「掃除用重曹」と「食用重曹」との違いを詳しくご紹介。
さらに、「掃除用重曹」の特性や用途、さらに効果的な使い方やクエン酸との違いを詳しく見ていきましょう。
「食品用」と「掃除用」:2つの重曹の違い
市場や薬局で手に入る重曹には、食品添加物として使われる「食品用重曹」と、掃除目的で使用される「掃除用重曹」の2種類があります。
「食品用重曹」の特性と活用法
「食品用重曹」は食品衛生法に基づいて製造されており、粒が細かくさらさらしています。
不純物が少なく、安全基準をクリアしているため、安心して使用できます。
この重曹は炭酸水素ナトリウムとして知られ、第3類医薬品としても取り扱われます。
具体的な使い方としては、次のような場面で活用されます:
- 蒸しパンやまんじゅうを膨らませるための膨張剤
- 山菜のアク抜き
- 自家製炭酸飲料を作る際に、重曹が酸と反応して生じる二酸化炭素の泡を利用
食品用重曹のパッケージには「食品添加物」と明記されており、純度が高いため少量でも効果があり、価格も高めです。
「掃除専用重曹」の特性と注意点
掃除用重曹は、薬局やドラッグストアの日用品や洗剤コーナーで販売されています。
掃除用重曹は食品衛生法に基づいて製造されていないため、食用には適していません。摂取することは避けようにしてください。
掃除用重曹は粒子が粗く、汚れをしっかり落とすために特別な添加物が含まれていることがあります。
掃除用重曹は、食用には使わず、掃除専用として使用するようにしましょう。
重曹の価格
掃除用重曹 | 約30円(100gあたり) |
食用重曹 | 約40~60円(100gあたり) |
特に掃除用の重曹は、安価なもので1kgの大袋300円程度と非常に経済的です。
最近は、人にも環境にも優しいナチュラル素材を使って、家の清掃を楽しむ人が増えています。
「重曹」と、もう一つのナチュラル素材「クエン酸」二つの素材を上手に使い分けることで、より効果的に清掃することができます。
さらに、クエン酸との組み合わせると掃除効果もアップし、家庭内の水回りを清潔に保つことができます。
重曹を使った掃除テクニック
それでは、重曹を使った掃除方法を詳しく紹介します。
重曹は酸性の汚れに強く、特に台所の油汚れやコンロ周りの掃除に効果的です。(※重曹はアルカリ性)
また、微細な粒子は研磨剤としても活用できます。
具体的な重曹の活用例を見てみましょう。
1.研磨剤としての使用
重曹は塩に比べて結晶が柔らかいため、表面を傷つけずに汚れを落とせます。
例えば、スポンジに重曹を少し付けて、コーヒーカップの茶渋や紅茶の汚れを擦ると、綺麗に落ちます。
2.中和剤としての役割
水に溶けた重曹は弱アルカリ性となり、酸性の汚れを優しく中和します。
油汚れや皮脂、汗の臭いを落としやすくなります。
100mLの水に重曹を小さじ1杯加えたものをスプレーボトルに入れて、キッチン周りの汚れをすぐに拭き取ることができます。
重曹は溶けにくいので、40℃くらいのぬるま湯を使うと良いですよ。
3.お鍋の焦げ付き落とし
焦げ付いた鍋には、重曹をたっぷりと入れた水を加熱し、しばらく放置すると焦げが浮き上がります。
焦げ防止のためには、加熱前に重曹を加えるのがコツです。
4.ガスコンロや魚焼き器の掃除
軽い汚れには重曹を撒いて、湿らせたスポンジで擦った後、水で洗い流します。
しつこい汚れには、重曹を水でペースト状にして汚れた部分に塗り、放置した後に擦り洗いします。
5.消臭・除湿剤として
重曹は生ゴミや汗の酸性臭を中和し、無臭の中性に変えます。
また、アンモニア臭に対しても効果があり、トイレや下駄箱、クローゼットなどの密閉された空間に置くと消臭除湿剤として機能します。
6.洗濯の助剤として
重曹は水に溶けると水の金属イオンを封じ込め、洗剤の泡立ちを改善します。
重曹は環境や人体への影響が少なく、コスパも抜群!ナチュラルクリーニングには欠かせないアイテムですね^^
ただ、重曹が使えないものもあります。
重曹を使用すべきでない物
重曹はマイルドな研磨剤として多くの場所で有効ですが、特に以下の場所や物には使用を避けましょう。
- アルミニウム製の調理器具や食器
- 傷がつきやすい繊細な家具やフローリング
- 漆塗りされた食器
また、石けんカスや鏡の水垢汚れのようなアルカリ性の汚れには、重曹がアルカリ性であるため、効果的に汚れを中和できず、期待される清掃効果が得られないことがあります。
重曹とクエン酸の効果的な使い分け
重曹はアルカリ性で、クエン酸は酸性です。
重曹はアルカリ性の汚れに対して効果的で、特に油汚れや酸性の汚れが目立つ場所に適しています。一方、クエン酸は酸性のため、アルカリ性の汚れに対して有効です。
重曹とクエン酸は、ナチュラルクリーニング素材として多くの家庭で利用されています。
重曹とクエン酸は、スーパーや100円ショップの掃除用品コーナーで一緒に見かけることが多いですね。
クエン酸の効果的な使用法
クエン酸は直接汚れに振りかけることもできますが、100mLの水に小さじ1のクエン酸を混ぜて作る「クエン酸水」をスプレーボトルに入れて使用すると便利です。
- 水道の蛇口やシンクの水垢にはクエン酸スプレーを吹きかけ、その後、水で拭き取ります。
- キッチンの水垢汚れはアルカリ性なので、クエン酸が特に有効です。
- トイレの手洗いや便器の黄ばみにはクエン酸スプレーを吹きかけ、拭き取ったりブラシでこすったりします。
「重曹水」と「クエン酸水」のスプレーを用意しておけば、様々な汚れにすぐに対応でき、清潔を保つことが可能です。また、市販のクエン酸には食用と掃除用がありますが、掃除には専用の製品を選ぶことが重要です。
※「重曹水」:100mLの水に重曹を小さじ1杯加える(溶けにくいのでぬるま湯が良い)
※「クエン酸水」:100mLの水にクエン酸を小さじ1加える(溶けにくいのでぬるま湯が良い)
重曹とクエン酸を組み合わせて掃除効果アップ!
重曹とクエン酸を組み合わせて使うことで掃除効果をさらに高めることができます。
重曹とクエン酸の組み合わせ技は、発泡作用を利用して深層の汚れを浮かび上がらせます。
特に、排水溝のヌメリや汚れを効果的に取り除くのに役立ちます。
軽い汚れの場合
排水口に重曹を適量振りかけ、その上からクエン酸スプレーを吹きかけると勢い良く発泡します。
しばらく放置した後、最後に水かお湯で流すだけです。
徹底的な掃除が必要な場合
用意するもの:
- 重曹とクエン酸を2:1の比率で混ぜた「重曹クエン酸」
- 水100mLにクエン酸を小さじ1混ぜた「クエン酸水」。スプレーボトルに入れておくと便利です
- ゴム手袋
掃除の手順:
- 排水口周りにお湯(約40℃)を流します。
- 排水溝の縁に「重曹クエン酸」を大さじ4杯程度まんべんなく撒き、発泡させながら汚れを浮かせます。
- 全体が泡立ち終わったら、「クエン酸水」をスプレーして、さらに発泡させます。
- 発泡が収まったら、排水トラップの部品を外し、ぬるま湯でよく洗い流します。クエン酸が水垢などの汚れを効果的に除去します。
重曹とクエン酸を一緒に使って、効率良くお掃除しましょう。