税の作文を書く前に、ちょっと立ち止まってみませんか?
「税金」と聞いて、どんなイメージがありますか?
難しそう。
大人が払うもの。
自分にはまだ関係ない。
そんなふうに思ってしまうのは、ぜんぜん悪いことではありません。
私たちが税金のことを考える機会って、普段ほとんどないですよね。
でも、よく考えてみると――。
あなたが毎日通っている学校。
ケガをしたときに助けてくれる病院。
家まで安全に帰れる街灯や道路。
自然災害が起きたときの復旧。
困っている人たちを支える制度。
その全部に、「税金」が使われています。
つまり、税金はあなたの“あたりまえ”を支えている力。
税の作文は、ただの宿題ではありません。
「自分の生活や未来が、どんなふうに“税”とつながっているのか」
それを考えるちょっとしたきっかけになるものです。
このブログでは、
- どこからテーマを見つければいいのか?
- どんな視点で書けば“自分だけの作文”になるのか?
そんなヒントを、一緒に探していきます。
まずは一つ。
税金は、遠い世界の堅苦しい話じゃない。
あなたのすぐそばで、あなたを支えているものなんです。
税を「自分ごと」にするための3つの視点
税の作文を書く前に、いきなり原稿用紙に向かう必要はありません。
最初にやってみてほしいのは、「税って、自分のどこに関係しているんだろう?」とゆっくり探してみることです。
そのときに便利なのが、この3つの視点です。
- ① 生活の視点
- ② ニュースの視点
- ③ 将来の夢の視点
それぞれ、もう少し具体的に見ていきましょう。
① 生活の視点:いつもの毎日のなかにある「税」
一番とっつきやすいのが、この「生活の視点」です。
- 通っている学校の校舎や体育館
- 図書館や公園、スポーツ施設
- バスや電車の駅前ロータリー、道路、橋
- 大雨や地震のあとに行われる復旧工事
こうしたものの多くには、税金が使われています。
たとえば、
- 「もし、この学校にエアコンがなかったら?」
- 「もし、雨で壊れた道路が、そのまま放置されていたら?」
ちょっと想像してみるだけで、税金がある世界と、ない世界の違いが見えてきます。
作文を書くときは、
- 「自分の生活のどこに税金が関わっているのか」
を一つでもいいので見つけて、その場面から話を広げていくと、オリジナルな内容になりやすいです。
② ニュースの視点:社会の出来事と税をつなげてみる
次に意識してほしいのが、「ニュースの視点」です。
- 消費税が上がる/軽減税率
- 高齢化社会と医療・介護の費用
- 子育て支援や教育の無償化
- 防災やインフラ整備の予算
- 環境問題と、環境対策にかかるお金
ニュースの中では、「お金」と「税金」の話がよく出てきます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、
「このニュースで、お金は誰が負担していて、誰を助けようとしているんだろう?」
と考えてみると、「税の役割」が少しずつ見えてきます。
ニュースをきっかけにして、
- 「私はこの税の使い道をどう思うか?」
- 「自分の住んでいる地域ではどうなっているだろう?」
そんなふうに考えを広げていくと、作文のテーマにしやすくなります。
③ 将来の夢の視点:なりたい自分と税の関係
もう一つのヒントは、「将来の夢」から逆算して考える方法です。
- 看護師や医師、介護福祉士になりたい人
- 保育士や学校の先生になりたい人
- 警察官や消防士、自衛官、役所で働きたい人
- 地域のまちづくりや観光に関わりたい人
こうした仕事の多くは、税金によって支えられています。
また、民間企業で働くとしても、教育や道路、通信などの基盤が整っているおかげで、その仕事が成り立っています。
「自分の将来の夢は、どんな“社会の支え”の上に成り立っているんだろう?」
そう考えると、税金は急に「遠い話」ではなくなってきます。
作文の中で、
「将来、○○という仕事を通して、こんなふうに税金で支えられた社会に恩返ししたい」
という方向に話をつなげていくと、読み手にも印象に残りやすい文章になります。
次のステップへ
この3つの視点を意識すると、
- 「税について、何を書けばいいか分からない…」
という状態から、
- 「自分の生活・ニュース・将来の中にある“税とのつながり”」
を少しずつ見つけられるようになります。
次は、こうやって見つけた「気づき」や「メモ」を、実際の作文のテーマや構成にどう変えていくかを一緒に考えていきます。
見つけた「気づき」を作文のテーマと構成に変えてみよう
さっきの3つの視点(生活・ニュース・将来の夢)で、
「そういえば、これって税金のおかげかも」と思う場面やニュースは見つかりましたか?
ここからは、その小さな「気づき」を、実際の作文のテーマや構成に変えていくステップです。
1. まずは「一番おもしろかった気づき」を1つだけ選ぶ
やりがちなのは、次のようなことを
- 学校のこと
- 医療のこと
- 災害のこと
- 高齢化社会のこと
- 将来の夢のこと
全部ひとつの作文に詰め込もうとして、話がぼやけてしまうパターンです。
最初は、メモした中から
「自分がいちばん話したいこと」
を一つだけ選んでみてください。
たとえば、
- 「エアコンのある教室って、実は税金が支えているんだと知って驚いた」
- 「ニュースで見た災害復興の映像から、税の意味を考えた」
- 「将来、看護師になりたい自分にとって、税金はどんな意味があるのか考えた」
こういう「一文」で言えるくらいに、テーマをギュッとしぼるのがおすすめです。
2. 基本の構成テンプレを決めてしまう
テーマが決まったら、次は「型」を決めます。
作文が苦手な人ほど、最初に構成をざっくり決めておくとラクです。
中学生・高校生の税の作文なら、こんな4つの流れが使いやすいです。
- ① きっかけ(導入)
- ② 調べたこと・知った事実
- ③ 自分の体験・考え
- ④ まとめ・これから
それぞれ、もう少しだけ説明します。
① きっかけ(導入)
「どうしてこのテーマについて書こうと思ったのか」を、短く書く部分です。
- エアコンのある教室でふと感じたこと
- ニュースや先生の話を聞いて疑問に思ったこと
- 将来の夢を考えたときに浮かんだ不安や気づき
など、「自分の言葉」で正直に書くと、読み手も引き込まれます。
② 調べたこと・知った事実
次に、税について調べて分かったことを書きます。
- どんな税金があって、どこに使われているのか
- 自分のテーマに関係する税金(教育・福祉・災害復興など)がどう役立っているのか
教科書やインターネット、本の内容を「丸写し」するのではなく、
「調べてみて、ここが意外だった」「ここに驚いた」
という、自分のリアクションも一緒に書けると、ぐっと読みやすくなります。
③ 自分の体験・考え
ここがいちばん大事な部分です。
- 自分の生活の中で、税のありがたさを感じた瞬間
- 逆に、「もっとこうなったらいいのに」と思ったこと
- 将来の自分と、税金で支えられている社会との関係
など、「自分だから書けること」を素直に書いてみましょう。
難しい言葉を使う必要はありません。
先生や家族に話しかけるつもりで書くと、自然な文章になりやすいです。
④ まとめ・これから
最後は、「この作文を書いて、どう感じたか」「これからどうしたいか」をまとめる部分です。
- 税金について考える前と後で、イメージがどう変わったか
- 自分がこれから税金を払う立場になったら、どんなことを意識したいか
- 社会の一員として、どんなことを大切にしたいと思ったか
などを、短くまとめてあげると、読み手に「読んでよかった」と感じてもらいやすくなります。
3. メモから「骨組みのアウトライン」を作ってみる
いきなり全文を書こうとすると大変なので、まずはアウトライン(骨組み)にしてみましょう。
たとえば、「エアコンのある教室」をテーマにした場合は、こんな感じです。
- 導入
夏休み明けの暑い日に、エアコンのある教室でホッとしたこと - 調べたこと
学校の設備に税金が使われていると知った/どんな税金で支えられているのか - 自分の考え
当たり前だと思っていたけれど、実は多くの人のお金で守られている環境だと気づいた
自分も将来、税金を通して誰かの「当たり前」を支えたいと思った - まとめ
税の作文を書いたことで、学校に来られること自体がありがたいと感じるようになった、など
この「骨組み」ができてしまえば、あとは一つ一つの項目をふくらませていくだけです。
次のステップへ
次のセクションでは、実際に使えそうな「テーマ例」をいくつか挙げて、
- これは中学生向け
- これは高校生向け
- 体験重視のテーマ
- ニュース重視のテーマ
といった形で、もう少し具体的なヒントを紹介していきます。
「これなら書けそう!」テーマのヒント集
税の作文は、難しい制度を説明するものではなく、
「自分の視点」が入っているほど魅力的な作文になります。
そこで、次の4タイプに分けてヒントを紹介します👇
- A:生活に関するテーマ
- B:ニュース・社会問題に関するテーマ
- C:将来の夢・働き方に関するテーマ
- D:地域や家族とのつながりに関するテーマ
A:生活に関するテーマ(いちばん書きやすい!)
中学生向け
- 学校のエアコンと税金
- 図書館が無料で使える理由を調べてみた
- 登下校の安全はどう守られている?
- 給食を支える税金の役割
▶日常の“当たり前”を掘り下げるのがコツ!
高校生向け
- 奨学金や教育費と税金の関係
- バス路線や駅前整備がなくなったら?
- スマホで学べる環境とICT教育の支え
▶制度面に少し踏み込むと、高校生らしい深みが出る!
B:ニュース・社会問題のテーマ(説得力が出る!)
中学生向け
- 災害復興を支える税金
- 高齢者を助けるお金は誰が負担している?
- ごみ処理に使われる税金のゆくえ
▶「テレビで見たこと」を自分の言葉で!
高校生向け
- 子育て支援をめぐる税金の課題
- 消費税の仕組みと生活への影響
- 環境保護と「未来への投資としての税」
▶賛否を自分なりに整理できると一段階レベルアップ!
C:将来の夢・働き方のテーマ(個性が出る!)
中高どちらでもOK
- 看護師になりたい理由と医療を支える税金
- 警察官の仕事と安全を守る税金
- 保育士の願いと子育て支援の税金
▶「なぜこの職業に興味があるか」が軸になると強い!
高校生向け例追加
- 社会インフラで働く人と税金の支え
- 働いて税金を納めることの意味を考える
D:地域や家族に関するテーマ(感情が動く!)
中学生向け
- 町に新しい公園ができた理由
- 家族の仕事と税金を知って思ったこと
高校生向け
- 過疎化した地域と公共サービスの未来
- 自分のふるさとを支えるお金はどこから?
▶地元への思いを込められるテーマは評価されやすい!
テーマ決めの最終アドバイス
- 「私はこの視点を伝えたい!」と胸を張れるテーマにする
- 調べたことをいっぱい書くより → 自分の言葉を大切にする
- 「読んだ人の心に少し残る」作文を目指す
税は難しいけれど、自分の生活や未来とつながっていると分かった瞬間に、書くことが見えてきます。
次は、実際に使える「書き出し例」をいくつか提示して、文章のスタートをラクにできるヒントをお届けします!
書き出し例:ここから始めれば大丈夫!
作文でいちばん悩むところ。
それが「最初の一文」です。
難しく考える必要はありません。
✔ 誰にでも理解できる言葉で書く
この2つだけ!
そこで、テーマ別に「使える書き出し例」を紹介します👇
🏫【生活】日常の気づきからスタートする書き出し
- 夏休み明けの猛暑の日、私はエアコンのきいた教室に入ってホッとしました。
- 図書館で本を借りるとき、ふと「どうしてお金がいらないのだろう」と思いました。
- 毎朝使っている歩道橋。実は税金が使われていると知って驚きました。
- 私たちが安全に道を歩けるのには、理由があります。
▶ 日常を“ちょっと立ち止まって”見るのがコツ!
📰【ニュース】番組・記事をきっかけにする書き出し
- テレビで見た大雨の映像に、胸がぎゅっとなりました。
- 「少子化」という言葉を最近よく聞きます。でも、自分には関係ないと思っていました。
- ニュースで「防災対策の予算」という言葉を聞いて、初めて税の存在を考えました。
- 消費税ってよく聞くけれど、何に使われているのか知りませんでした。
▶ 見たこと・感じたことをセットで書く!
🩺【将来の夢】なりたい自分から始める書き出し
- 私は将来、看護師になりたいと思っています。
- 小さい頃の夢は、消防士になることでした。
- 先生の仕事って、どんなふうに社会とつながっているのだろう?
- 将来の自分を想像したとき、「税金」という言葉が浮かびました。
▶ 「なりたい理由」とつなげると自然な流れに!
🏘️【地域・家族】身近な人や場所から始める書き出し
- 私の住む町に、新しい公園ができました。
- 祖父がよく言う「税金が大切なんだぞ」という言葉の意味が、最近分かってきました。
- 商店街のシャッターが増えてきて、少しさびしく感じます。
- 家族と避難訓練をして、災害の怖さを実感しました。
▶ 感情と結びつけると印象が強くなる!
💡 迷ったらコレ!
- 「〇〇を知って驚きました。」
- 「〇〇って実はすごいんだなと感じました。」
- 「〇〇がなかったらどうなるのだろう、と想像してみました。」
このどれかで始めてもOKです。
書き出しで“完成させよう”としなくて大丈夫。
むしろ――
✨ 書きながら考えが深まっていくのが作文の醍醐味 ✨
次は、「よくあるつまずき」とその解決策を紹介して、最後の仕上げをサポートします!
「よくあるつまずき」と解決策
ここまできたら、あとは仕上げ…!
でも、いざ書き始めると誰でもぶつかる「壁」があります。
安心してください😊
そのつまずきには、ちゃんと乗り越えるコツがあります。
❌つまずき1:説明ばかりで「自分の意見」がない
よくある例:
税金は道路や学校に使われています。消費税は10%です。公共サービスが支えられています。
…勉強した感はあるけれど、あなたの声が聞こえない!
🟢解決策
「自分のリアクション」を必ず入れる。
- 知ってびっくりしました
- ありがたいと思いました
- もっとこうだったらいいのに
➡ “事実+自分の気持ち” をセットにすると一気に良くなる!
❌つまずき2:話があちこちに飛んでまとまらない
テーマを詰め込みすぎて、読んでる人が迷子になるパターンです。
🟢解決策
最初に作ったアウトラインに忠実に書く!
- 導入 → 調べたこと → 考え → まとめ
この順番から動かないこと!
❌つまずき3:内容が「ふわっ」としている
「税金は大切です」「みんなで助け合うことが大事」
だけだと、どの作文でも読めちゃう。
🟢解決策
ひとつの事実を、具体的な場面に落とす。
例:
- 「学校にエアコンがあって助かる」
↓ - 「夏休み明け、汗でノートがぬれた日のこと」
- 「集中できずテストがボロボロだったこと」
➡ 読み手が映像でイメージできる内容に!
❌つまずき4:最後の締めが弱い
いいこと書いてるのに、
終わります。ありがとうございました。
…もったいない!
🟢解決策
最後に “自分の未来” へ視線を向ける。
- 将来、税金を納める立場になったら…
- こんな社会だったらいいな…
- 自分も誰かを支える側になりたい
➡ “前向きな一歩” があるとグッと印象アップ✨
🎯覚えておきたい魔法の法則
どんなテーマでも、事実 → 気持ち → 考え → 未来この順番で書けば、ちゃんと「自分の作文」になる!
税の作文は、「税ってなんだろう?」と、一度立ち止まるチャンスです。
- あなたが気づいたこと。
- あなたが感じたこと。
- あなたが考えたこと。
難しい言葉はいりません。かっこよく書かなくても大丈夫。大切なのは自分の視点で書くことです。
頑張って!

