この記事では、どんど焼きで燃やすものと、焼く食べ物について詳しくご案内します。
どんど焼きは、小正月に行われる日本の古くからの行事で、毎年1月15日頃に開催されます。
この行事には、地域によって様々な風習や意味合いがあり、イベントの内容も多様です。
また、どんど焼きで「焼くべきでないもの」についてもちょっと触れてみます。
どんど焼きの伝統を通じて新年の厄払いを行いましょう。
どんど焼きで燃やされるものとは?
どんど焼きは、お正月に飾られた門松や松飾り、しめ飾り、しめ縄、書初めなどを神社や公共の広場で集めて焼く伝統行事です。
通常、正月飾り(松飾りやしめ飾りなど)や書初めなど、紙や木、藁で作られたものが、どんど焼きで燃やされる主なものです。
どんど焼きで焼く「食べ物」はどんなものがある?
どんど焼きでは、正月飾りや書初めを燃やした後の残火を利用して食品を焼く習慣があります。
ここでは、特に団子に焦点を当て、健康や家庭の安全、豊作、商売繁盛、大漁などを願いながら団子を楽しむ習慣を紹介します。
また、団子以外に焼く食品もご紹介します。
どんと焼きで焼ける食品の例
- 団子や餅
- するめ
- 昆布
- さつまいも
- みかん
- マシュマロ
- ソーセージ
各地域によっては、これら以外にも多種多様な食品が焼かれることがあります。
どんど焼きの団子「作り方」と「食べ方」
どんど焼きは、小正月に行われる日本の伝統行事で、団子を焼いて食べることが健康を祈る風習として知られています。
地域によって団子の作り方や食べ方には様々なバリエーションがあります。
それぞれの地域の習慣や伝統に合わせて団子を楽しむことができます。
以下に、「どんど焼き団子」の一般的な作り方を紹介します。
団子の作り方
- 材料の準備: 上新粉200g、砂糖大さじ2、熱湯200g、食紅(赤、緑、黄色など)を用意します。
- 生地を作る: 上新粉と砂糖をボウルに入れ、よく混ぜ合わせた後、熱湯を加えます。木べらで混ぜると生地が徐々に纏まります。
- 生地をこねる: 生地が一つにまとまったら、手でこねて耳たぶくらいの柔らかさにします。
- 団子を形成: 生地を6つに分け、それぞれを丸めます。中央を凹ませた後、約25分間蒸します。
- 色付け: 食紅を少量の水で溶いて、蒸し上がった団子に混ぜ、赤と緑の色を付けます。
- 串刺し: 団子が冷えたら、木の枝や竹串に刺します。
団子の食べ方
- 火であぶる:どんと焼きの残り火であぶって、そのまま食べる。
- 汁物に入れる: お汁粉やお雑煮に入れて楽しむ。
- トッピング: きな粉やあんこをまぶす。
- みたらし団子に: 砂糖と醤油でみたらし団子に変身。
- 冷凍保存: 食べ残した団子は、熱いうちにラップで包んで冷凍保存。再加熱は沸騰したお湯で行い、美味しく頂けます。
どんど焼き団子はいつ作る?
地域によっては、どんど焼きの前日に団子を作り飾る風習がありますが、一夜飾りを避けるために2日前に準備する地域もあります。
使用する木の枝について
団子を飾る際に使う木の枝には、柳、ナラ、山桑、ヌルデ、ミズキなどが選ばれます。
特に、「ミズキの木」は、水辺に自生する木で、「火災を防ぐ」という願いと結びついているとされます。
そして、ミズキの木の新芽が上向きに成長する様子は、「運が向上する」という希望の象徴とされています。
さらに、ミズキの木は成長速度が速いことから、「子供たちの健やかな成長」を願う意味も込められていると言われています。
また、柳の枝は、毎年リサイクルして使用することができるそうですよ。
どんと焼きの時期になると、スーパーマーケットで「団子を飾る木」が売られている地域もあります。
松本では
どんど焼きでなく三九郎と言う
ダルマが串刺し状態で宙に繋がれてる
繭玉をつける木の枝をスーパーで売っている
・・・まさにカルチャーショック(°0°)‼ pic.twitter.com/ZbVtTPKJBA— Cataray (@Cataray_S14) January 10, 2016
地域による「どんと焼きの団子」の呼び名
どんど焼きで作る団子は、地域や伝統によってさまざまな名前で呼ばれています。
例えば、「繭玉(まゆだま)」、「舞玉(まいだま)」、「生業木(なりわいぎ)」、「だんご木」、または「餅てまり」といった呼称があります。
どんと焼きで「焼いてはいけないもの」と「焼くべきではないもの(※地域による)」
どんど焼きでは、環境保護や神社の境内の安全を考慮し、特定のアイテムを焼くことは禁止されています。以下のものがその例です。
- ビニール袋やその他のプラスチック素材
- 化学繊維で作られたぬいぐるみや人形
- ガラスやプラスチックなどの不燃物
- 金属製品 正月飾りにこれらが含まれている場合、焼却する前に取り除くことが望ましいです。
また、どんど焼きは供養目的で行われる行事ではないため、以下のアイテムを焼くことは避けるべきです。
- 仏壇や仏具、仏札、結納品
- 古いお守りやお札、神棚
- 人形、熊手、破魔矢
- だるま(目が見えなくなるという言い伝え)
ただし、地域や神社によってはこれらのアイテムを焼くことが許される場合もあるため、事前に確認することが重要です。古いお守りやお札は、初詣時に神社に返納するのが一般的な慣習です。
…と言いますが、私が住んでいる地域では、去年のお神札(おふだ)も燃やしていますし、だるまも燃やしています。地域に確認するのが一番良いですね!
どんど焼きの概要と伝統
どんど焼きは、毎年1月15日頃に行われる小正月の祭りで、豊作を祈願する粥占いなどの行事も含まれます。
(※どんど焼きを行う神社やお寺、自治体ごとに日程が異なるため、具体的な日程は地域や施設の公式情報を参照する必要があります。)
この祭りでは、お正月飾りを焼くことで年神様を天に送り返すという意味が込められています。
また、この火に当たると若返るという信仰や、焼け残った灰が魔除けに効果があるという伝承があります。
灰を家の周りにまくと病気を防ぐ効果があるとも言われており、書初めを焼いて炎が高く上がると字が上達するとも伝えられています。
さらに、残火で餅や団子を焼き、五穀豊穣や無病息災を祈る習慣もあります。
ただ、最近では環境への配慮から、燃やさずに回収するだけの地域も増えています。
どんど焼きの実施方法
どんど焼きでは、家庭から持ち寄った正月飾り(門松やしめ飾り)や書初めなどを、公共の広場などに設置したやぐらや小屋(どんど)に積み上げます。
どんと焼きのやぐらは主に竹、藁、茅、杉の葉などで作られています。
積み上げた材料に火をつけて焼き、その後の残り火で餅や団子を焼いて食べるのが一般的です。
どんど焼きの起源
どんど焼きの起源には複数の説があります。
一つは「尊や尊」と唱えながら火を焚くことから「どんど」という言葉が生まれたというものです。
また、「どんどん」と火が燃える様子や、門松の竹が燃えて割れる音、または「爆竹焼(とんどやき)」から「どんど焼き」へと名前が変わったという説もあります。
これらの起源は平安時代までさかのぼり、近畿北陸地方の「左義長(さぎちょう)」と関連があるとされています。
左義長は、平安時代の宮中行事で、青竹を束ねて立て、毬杖(ぎちょう)三個を結びつけ、扇子や短冊などを添えて、陰陽師が唱える歌や囃子に合わせて焼く儀式でした。
この宮中行事が民間に広まり、正月飾りや書初めなどを集めて焼く火祭りへと変化し、現在のどんど焼きの形になったとされています。
この伝統行事は、歴史を通じて各地域で様々な形で受け継がれ、今日に至っています。
各地における「どんど焼き」の呼称
日本各地での「どんど焼き」の呼び名です。
地域 | 呼称 |
---|---|
近畿北陸地方 | 左義長 |
東北地方 | どんと焼き |
関西地方 | とんど焼き |
長野・山梨・関東地方 | 道祖神祭 |
長野県松本市周辺 | 三九郎 |
群馬・神奈川・長野・山梨・静岡 | どんどん焼き |
福島・東京・新潟 | サイノカミ |
神奈川地方 | さいと焼き |
九州地方(佐賀・熊本・鹿児島) | 鬼火たき |