水仙は、手間をかけずとも年々花を咲かせる、管理が簡単な球根植物の一つです。しかし、昨年は豊かに開花したにも関わらず、今年は花が一つも咲かないことがあります。この記事では、その原因と、次のシーズンに向けた開花を促す育て方をご紹介します。
水仙の開花を妨げる主要因:球根の成熟不足
球根が十分に育たず花芽を作れない
花が咲かない最大の原因は、球根が適切に成長せず、花芽を形成できないことにあります。成長不足の主な要因を見ていきましょう。
球根の密集
毎年の植え替えは必要ありませんが、数年ごとに球根が増え過ぎて密集すると、小さな球根しか育たなくなり、花芽をつけることが難しくなります。
開花後の葉の早期摘み取り
開花後すぐに葉を摘むと、光合成が妨げられ、球根が翌年に花を咲かせるための栄養を蓄えることができなくなります。
来年の水仙を美しく咲かせるための育て方
水仙の球根が十分に育たないと、花は咲きません。特に開花後のケアが、次の年の美しい開花へのカギを握っています。
- 開花が終わったら、花茎は早めに取り除くこと
- 葉は自然に枯れるまでそのままにしておくこと
- 適切な時期に肥料を施すこと
花が終わった直後に花茎を切り取ることは重要です。
これは、種子を作るのにエネルギーを使わせないためです。
しかし、葉は球根に栄養を蓄える役割があるため、生きた状態で残しておく必要があります。
葉は自然に枯れるまで放置し、その間光合成を通じて球根に栄養を送ります。
光合成だけでは栄養が足りなくなることもあるため、追肥として適切な肥料を与えることが推奨されます。
長期間植えっぱなしにする場合、葉が枯れた後は球根を掘り上げ、互いにくっついている球根は分けましょう。
掘り上げた後、球根から土を払い、風通しの良い半日陰で乾燥させます。
十分に乾いたら、球根だけを取り出し、秋まで風通しの良い場所で保管してください。
※小さな球根について
掘り上げた球根の中には、まだ成長が十分でない小さな球根も見られることがあります。
これらの小さな球根はすぐに開花するとは限りませんが、肥料を与え続けて丁寧に育てることをお勧めします。
十分に成熟したら、美しい花を咲かせる時が来ます。
水仙の葉は茂るけど花が咲かない?その理由と対策
水仙が葉を茂らせつつも花をつけないことがあります。改善のためには、以下のポイントが大切です。
- 日当たりの良い場所で育てることを心掛けましょう。
- 花が終わった後は、葉を残して球根が栄養を吸収しやすくします。
- 数年に一度は球根を掘り上げて、密集を避けるために再植えすることが必要です。
多くの方が、水仙は放っておいても年々花が咲くと考え、特別な手入れをしないでいます。
しかし、長期間手入れをせずにおくと、球根が密集し過ぎてしまい、まるで「団子」のようになってしまう場合があります。
この状態になると、花が咲かなくなる可能性が高くなります。
毎年水仙の花を楽しむためにも、定期的な植え替えが大切です。
水仙の球根はネズミの被害を受けにくく、自然と増える性質を持っています。
そのため、植えっぱなしでも花は咲きますが、もし花が咲かなくなったら、植え替えを検討してみてください。