庭にビワの木を植えるべきではないとされる理由には、特定の迷信が関わっています。
家族に病が絶えないとの言い伝えや、落ちる実が首を切る光景を連想させる不吉なイメージが原因で、この木は縁起が悪いと考えられています。
一方、市場や青果店では、ビワはその豪華さから高価で売られています。
自宅で栽培を試みる人もいれば、植えるべきでないとする噂を信じる人もいます。
この記事では、ビワの木を庭に植えるべきでない理由、安全に育てるための注意事項、そして植える利点について詳しく解説します。
「ビワの木を庭に植えないほうがいい」とされる理由は何か？
庭にビワの木を植えることに反対する声が多いのは、以下の六つの理由からです。
2. 実をつける木が不吉とされているため
3. 種から実が生るまでに8〜10年かかるため
4. 木が成長すると最大で10メートルまで大きくなるため
5. 子どもが木に登ると枝が折れ、怪我をする恐れがあるため
6. 木の根が張り出して家の基礎を損なう可能性があるため
家の住人が病気になりやすくなるため
庭にビワの木を植えるべきでないとされる主な理由の一つが、家の住人が病気になりやすくなるということです。
これにはいくつかの原因があります。
ビワの木は常緑広葉樹であり、冬になっても葉を落とさず、そのため一年中葉が茂っています。
この状態が日光を遮り、結果的に家の中に湿気が溜まりやすくなり、カビが生えやすい環境を作り出します。
これにより、住人の健康が損なわれることがあります。
また、ビワの葉や種子は昔から生薬として利用されていたため、それを求める病人が訪れ、病気が広がる危険性がありました。
さらに、診療所の近くにビワの木が多く植えられていたことから、ビワの木と病気が結びつけられるようになりました。
実をつける木が不運を招くとされる理由
庭にビワの木を植えるべきでないという言い伝えには、「実をつける木が不運をもたらす」という信念も関係しています。
ビワの果実が熟して自然に枝から地面に落ちる様子は、古くから「首が切断される」ように見えたとされ、特に武家の間で忌み嫌われていました。
この見方が広まり、ビワの木を庭に植えることが避けられるようになりました。
さらに、ビワの木は剣道の練習で用いる木刀の材料としても使用されていたため、その硬さから防具なしの稽古で重大な事故が発生することもあり、これが不吉なイメージを強める一因となりました。
種から実がなるまでの長い期間
「種から実がなるまでに8〜10年かかる」という長い成長期間です。
ビワの実を食べた後に残る種を植えても、実を収穫できるようになるまでには長い時間が必要です。
そのため、すぐに実を楽しもうと考える場合は、成長が速い他の果樹がより適しているとされます。
10メートルまで成長する巨大さ
「最大で10メートルまで成長する」とされるビワの木は、大きく広がる枝が日光を遮ることがあり、室内の明るさにも影響を与えます。
適切な剪定が行われない場合、実はなるものの収穫が難しくなり、結果的には野鳥の餌になってしまうことも少なくありません。
子どもが登ると危険が伴うから
「子どもが木に登る際に枝が折れやすく、怪我をする可能性がある」からです。
ビワの木の枝は、剣道の練習で使用されるほど硬いですが、意外と脆いため、子どもが遊んでいる最中に容易に折れることがあります。
このように枝が折れて落下すると、重大な怪我につながる恐れがあります。
根が建物の基礎に悪影響を及ぼすから
庭にビワの木を植えるべきでない六つ目の理由は、「木の根が建物の基礎に損害を与えることがある」からです。
ビワの木の根は広がりやすく、浅く伸びるため、成長すると建物の土台を持ち上げることや基礎にひびを入れることがあります。
根が拡大すると隣の建物にも影響を及ぼすことがあり、根を切除する必要が生じることも報告されています。
ビワの木を庭で栽培するための3つのポイント
ビワの木を庭に植えたいと思っている場合、以下の三つのポイントに注意することで、安全に育てることが可能です。
2. 適切な剪定で小さく管理する
3. 成長した苗木を使用する
日光を遮らない場所に植える
ビワの木は成長するとかなり大きくなり、一年中常緑の葉を広げます。
夏はその日陰が心地よいですが、冬は必要な日光を遮ってしまうことがあります。
植える際は、窓や家の入り口を遮らないように、成長後の大きさを考慮した場所を選びましょう。
ただし、ビワは日当たりを好むので、常に影になる場所は避けてください。
剪定をする
放っておくとビワの木は10メートル近くまで成長し、日陰を作りすぎたり、果実が高所にできて収穫が困難になったりします。
剪定をすることで、ビワの木を小さく保つことができます。
定期的に剪定を行い、木の高さを調整し、形を整えることで、風通しを良くし、植物の健康を維持できます。
種からではなく苗木を購入して育てる
ビワの木を種から育てる場合、実がなるまでに8～10年かかることがあります。
早く果実を楽しみたいなら、ある程度成長した苗木を購入するのがおすすめです。
ビワの木を庭に植えるメリットもある
庭にビワの木を植えることのメリットには、以下の二点があります。
2. 自然なプライバシースクリーンとして機能する
栄養価の高い果実を収穫できる
ビワの果実は、以下のような栄養素を豊富に含んでいます。
– βクリプトキサンチン
– カリウム
– クエン酸
– クロロゲン酸
これらの成分は特に初夏に必要な栄養を補い、健康維持に非常に役立ちます。
自然なプライバシースクリーンとして機能する
ビワは常緑樹で、冬にも葉を保つため、自然な目隠しとしての役割を果たします。
これがプライバシー保護にも大いに役立ちます。
鉢植えでの育成も可能で、葉を落とす他の植物に比べて長期間にわたり外観を保つことができるため、視線を遮りたい場所に最適です。
まとめ
ビワの木を庭に植えることに対して反対される主な理由は、次の六つの点に集約されます。
- 家の住人が病気になりやすくなること
- 実のなる木が不吉とされること
- 種から実がなるまでに8〜10年を要すること
- 木が成長すると最大で10メートルに達すること
- 子どもが木に登ると枝が折れて怪我をすること
- 木の根が建物の基礎に損害を与えること
これらの理由は、伝統的な信念や実際の経験に基づいていますが、特に迷信を信じる傾向にあるのは年配の方々です。
もし年配の人と一緒に住んでおり、ビワの木を植えることを考えている場合は、事前にしっかりと話し合い、同意を得ることが家庭内でのトラブルを避けるための効果的な方法です。
